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<幼児虐待死>夫婦の主張に差、夫の判決確定…戸惑う裁判員(毎日新聞)

 夫とともに2歳の長男をごみ箱に閉じ込め窒息死させたとして、監禁致死罪などに問われた東京都練馬区の無職、菅野(かんの)理香被告(35)の裁判員裁判が25日、東京地裁(井口修裁判長)で結審した。虐待を巡り、理香被告と証人出廷した夫の言い分は食い違ったが、夫の裁判員裁判はそれを検討しないまま終了。夫の公判で裁判員を務め、理香被告の公判を傍聴した男性は「判決を出す前に双方の話を聞きたかった」と戸惑っている。【伊藤直孝】

 理香被告は夫美広(よしひろ)受刑者(35)と08年12月、自宅で長男優衣(ゆい)ちゃんをごみ箱に入れ、ポリ袋をかぶせて夜通し閉じ込め死なせたとして起訴された。検察側は23日の初公判で、夫婦が長男をオーブンに入れ一瞬スイッチを入れるなどの虐待を繰り返していたと指摘。弁護側は、理香被告が美広受刑者から頻繁に家庭内暴力(DV)を受け、夫の虐待を止められなかったと情状酌量を求めた。

 「あなたが何かしようとするのを、理香被告が止められない関係だったのか?」

 「それはない」

 24日の公判。証人の美広受刑者は裁判長の問いに即答した。理香被告はタオルに顔をうずめ首を振る。夫婦が顔を合わせるのは逮捕されてから約1年ぶりだったが、視線を交わすことはなかった。

 美広受刑者は「夫婦げんかで灰皿やコップを投げつけられたり物を壊された時に殴ったが、理由なくは殴らない」と継続的DVを否定。直後の被告人質問で理香被告は「夫にボコボコにされると思い、優衣を助けようと考えなかった」と、いら立つように答えた。

 同罪などに問われた美広受刑者は2月15〜18日の東京地裁の裁判員裁判で懲役11年の判決を受け確定。公判で「虐待は妻の意向を酌んだ」と述べていたが、理香被告の証人尋問は行われなかった。

 美広受刑者の公判で裁判員を務めた写真家の清木(せいき)博志さん(60)は、理香被告の公判をすべて傍聴し、夫婦の主張が真っ向から食い違うことに驚いた。「理香被告の話が本当なら、夫の量刑は軽すぎたと思う。何が正しいのか分からない。理香被告の話を美広受刑者の公判で聞きたかった」と複雑な表情を見せた。

 25日、検察側は「夫婦げんかを超える暴力はなく、長男を放置した理由にならない」と理香被告に懲役10年を求刑。理香被告は最終陳述で「夫は全然、反省してないんだなと思いました」と怒りをあらわにした。判決は26日言い渡される。

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